魂のブルースマン!
YouTubeデビューする友人達 (第3夜)、最後は自分の大学時代の友人、町田謙介氏をご紹介したい。町田氏は、すでに東京を中心にプロとして活躍している人なので、厳密にはこの企画から外れるのだけれど、同じ大学の同じ演劇部で、その芝居の練習の合間に一緒に氏と歌った。正確には自分が氏に遊んでもらっていたのだか。
その後、自分は諸事情でソコを中退したので、氏との交遊は殆どない。なので自分が彼を友人と呼ぶには、かなり、おこがましいのだが、そうそういない素晴らしい音楽家だと自分は思うので、敢えて紹介させて頂く。
当時、町田クンは、(2年も歳上だとは、その頃知らなかった。同級生だったので「クン」だった。)西東京の町田市から通っていたので、「町田の町田クン」あるいは、風貌が「ねずみ男」だったので、そのように呼ばれていたと思う。人懐っこい、誰にでもフレンドリーな人だった。
以前にも書いたように、その当時から比類なき声とギターパフォーマンスで、早くも才能の萌芽を感じていた。自分のように、日本の西果てからやって来た人間には、そんなに歳も変わらないのに、世の中にはこんなにも自分の知らない沢山の渋い歌を、印象的なギター演奏とともに歌う人もいるのか!と、カルチャーショックだったのを今でも覚えている。
自分もそれなりには音楽好きで、それなりには聴いてきたと自負していたつもりだったが、彼の前では全く子供の域だった。町田氏が歌う楽曲は、米国南部、ミシシッピー川の水の匂いや土埃の匂いが、すぐそこに漂って来そうな、泥臭さと旅の匂いがした。行ったこともないのに何処か懐かしい。何か郷愁を誘うものがあった。
一見不器用で朴訥そうな声と裏腹の力強い声量。その光と影が、思わず人を振り向かせ立ち止まらせる。そして、また、もう一度聴きたくなる…。氏の歌で、それまでの人生で縁がなかった、「ルーツ・ミュージック」というものに自分が初めて触れた気がした。
インターネット環境は、長い間疎遠になっていた友人と再会する機会も与えてくれる。町田氏をネットで見つけ、何十年振りにダメモトでコンタクトを取ると、幸いにも古い記憶の底から何とか自分を思い出して頂けた。懐かしい当時のものを、わざわざ送って頂いたりもした。
昨年は、九州福岡でのライブ情報を事前に教えて頂く。何はさておき駆けつけるつもりだったが、もぉ〜どうしても!都合で行けずじまいだった。今年は是非!ライブ会場で氏の歌を聴いて見たい。貴方の街の近くに町田謙介氏が来たら、どうぞ足を運んで見てはいかがデショウ? 特別な夜がそこにはある、ハズと思いマス。