気合いが心打つ、魂の芝居。
7月12日(日)。隣町で舞台公演があった。地元松浦市出身で、在東京の演出家、岡部耕大という方がプロデュースする『長崎の鐘』という芝居。長崎県では原爆関係で有名な永井隆博士という方が当時いて、その方をモチーフとした芝居だ。
この芝居を何故観に行ったかというと、今回の公演を主催したのが、私が地元で関与している、「吉井エコツーリズムふるさとの会」で、縁あってか?いつも一緒にやっているKさんだからだ。
Kさんは地元でNPO松浦藩21というのを立ち上げ地域に貢献する様々な事をやっている。弱冠30代なのに地域に対して熱い思いを持つ、私が観る限り、珍しい方だ。(30代でこの地域にそんな意識を持つ人がいるなんて思いもしなかったからだ。)
もう一つの理由は、長崎県に住んでいながら、恥ずかしながら、永井隆博士の事を良く知らない。長崎の原爆も長崎市の方では良く語られる事だが、こと、ここ、長崎県北部郊外の地となると、それほどリアルな感じがしなかったせいか? また、岡部耕大氏の芝居も恥ずかしながら知らない。ネットで調べると昨年は東京新宿、紀伊国屋ホールでも上演されている。
地方でやる公演は時として手抜きみたいな話も聞いたりするが、少なくとも、私が観た限り、気合いが心打つ、魂の芝居だった。かような田舎の土地なのに舞台も本格的なもので舞台背景や照明もきれい。
原爆で妻をなくし、自らも白血病でありながら、献身的に被爆者を看る永井隆博士は、カトリックの敬虔な信者でもあり爆心地浦上の天主堂の鐘を復活させる。鐘の音が復興と平和の祈りとして長崎の街に響きわたる。永井隆役の方などは、何かが乗り移ったかのような、響く声と迫真の演技。
状況劇場、唐組、黒テント、劇団『青い鳥』他、無名の劇団の小劇場芝居や、山海塾、等、曲者の芝居、舞踏を過去観て来たが、それほど曲者ではないが、小劇場の熱気伝わる芝居を、こんな地方で観れて何よりだった。お客もほぼ入ったし成功した催しだったようで良かった。
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まさお (水曜日, 15 7月 2009 20:36)
永井博士の「長崎の鐘」は小学生のころ数回映画で見た
記憶があります。昭和20年代の終わり頃、戦後の早い時
期に映画化されて全国的に知られたのではないでしょうか。
原爆については、怒りの広島、祈りの長崎とはうまく言
ったものですね。わたしは怒りの方を選びたいです。アメ
リカへの怒りが一番強く、次に日本の指導部への怒りです。
planetary-n (水曜日, 15 7月 2009 20:52)
まさお様、コメント、まことにありがとうございました。そうですか。映画があるのですね。知りませんでした。情報ありがとうございます。
ラフィキ (木曜日, 23 7月 2009 14:47)
私は映画は見たような記憶はありますが、後は何もないです。長崎に通うようになって、ここにあったと感動し3時間ほど爺一人全てを見て回りました。
如己堂を見ただけでも涙が落ちる位に感動しました。それは永井博士の生き方にありますよね。自分が可愛くて大事にするように、誰をも愛せよ・・の精神で生き抜いた神様みたいな人ですね。また行ったら、寄りたい所です。行くたびに心が洗われるよな気持ちになります。
planetary-n (水曜日, 12 8月 2009 02:46)
ラフィキさま、コメント、まことに、ありがとうございました。
長崎県に育ちながら、訪れた記憶がありません。はずかしいですね。自己と他者の区別がなかったのでしょね。無条件の愛といいますか。
すこし逸れますがダウン症の子供たちにはそういう感じの子が多いと聞いたような気がします。精神は私たちより進化している気が、スゴクします。