『QJKJQ』を読む。

 ▲カバーを取ったところ。帯と本体下部にある謎の紋章。これは一体何なのか?
 ▲カバーを取ったところ。帯と本体下部にある謎の紋章。これは一体何なのか?

 

台風襲来のせいか10月になっても暑い。

暑いといえば、今年の夏は、これまでの人生の中で一番暑かった。

お盆前には連日36℃。最高37℃を記録する。

ついに、本気で始まったか?自然界からの大逆襲!

 

精神世界では、今年の秋から世界は大きくシフトするという…。もはや、明日、何が起こってもおかしくない時代だ。尋常でないギラつきの太陽光線を、上目使いで確認しつつ、避けるように過ごしていた——。

 

 

神様ごめんなさい。とどのつまりは、わたしたち人間が悪いのですよね。

これまで何度も兆候があった、自然[あなた]からの警告メッセージ。

でも、聞く耳を、感じる心を、持ってなかったのですね、わたしたち。

 

[あなた]の一部である森林、いまだに破壊の手を止めないし、相も変わらず人間同士の不毛な戦争も止めない。そのうえ核にも手をつけて。使い方も良く知らないくせに…。もう、わたしたちって、[あなた]にはびこるガンだと言われてもしょうがない存在。ガンは早晩削除しないと…、そこで、自然災害活発なのですよね。

 

この夏、『シン・ゴジラ』が話題なったけれど、「ゴジラ」は[あなた]の化身(アバター)ですね。旧作品から気付いてましたよ。そして最近では巨大台風、あれも[あなた]の使者ですよね。自然を支配出来ると思い上がったわたしたちも、[あなた]の使者の前には、さすがに無力です。しょうがないのかもしれませんね。一掃されても。

 

「オラオラ〜ッ愚かな人間ども〜、これでも喰らえ〜思い知るが良い!」

 

使者のパフォーマンスに、いつの間にか忘れ去っていた、自然[あなた]への畏怖の念、畏敬の念を、思い出さずにはいられません。

 

 

——そんな、おそい夏の終わり、

佐藤さんの『QJKJQ』を、ゆっくり2回読む。一気に読みたかったのだが、おりからの異常な暑さが、それを阻んだ。

 

読む前に、フト思って表紙カバーを外してみる。本体下方に何か不思議な文様がある。気付けば帯にも同じ図案が…。「一見、中世の錬金術のような紋章だが…これは一体何?」謎のまま読み進めて行くと、やがて、その徴が小説の重要な鍵になっていることに気付く。

 

小説『QJKJQ』は、予想も出来ない仕掛け、あるいは目を背けたくなる装置が、地雷のように配置されてる。しかし、それらは綿密に計算されたものであり、物語の前半に出て来る多くの伏線も、後半では見事に回収され収束して行く。全体の構成がしっかり考えられた作品なのだ。

 

しかし、その計算された構成を取っ払って全体を眺めると、そこには17才の主人公「市野亜李亜」がいて、聡明な彼女が毅然とした決意で、絶望的かも知れないこの世界を、それでも生きて行こうしている。

小説『QJKJQ』は、絶対孤独な少女の、魂の救済の物語なのだ。

 

どんなに冷酷な未来でも、彼女は自ら死ぬわけにはいかない。何故ならば、彼女の存在そのものが、「窓のない国家」へたどり着く、唯一の証人だから…。「窓のない国家」とは何なのか? これは本文中にも明記されてはいないが、物語の中で読者がそれぞれ考えてもらえると良いと思う。

 

万人向きという作品ではないが、ピンと来た人は是非読んでほしい!

 

フジテレビでのドラマ化、ゴールデンではかなり難しいのでは?と独りで心配してるが、杞憂に終わることを願う。

 

とにかく佐藤さん!本当におめでとう!

今後の活躍を、遠くからだけど見守ってるよ〜。

 

 

本日のご訪問まことにありがとうございます。良い事がありますように!

 

 

 

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