西海市「パオ」にて聞くリアル。その1

福島市飯館村の自然農業者、村上さんのお話。

110731(日)晴れ 母の病院見舞いを早めに終わらせた午後、昨年、お米プロジェクト’10を手伝ってくれたメンバーである、ご近所のSayuさんから、とある催し物のお誘いを受けた。佐世保市の南、西彼杵半島に広がる西海市、その一角にある、「パオ」というカフェで、先の地震、福島原発事故で被災し避難された、自然農業家の方のお話会があるので行きませんか〜、というものだ。お話そのものは無料で、その後、食事を兼ねた交流会が800円という良心的なものだ。

背後は雑木林、遠くに海を見渡せる、素敵なロケーションに在るカフェ、『パオ』
背後は雑木林、遠くに海を見渡せる、素敵なロケーションに在るカフェ、『パオ』

母の退院は、お陰様で近い。退院すると食事作り等で、自分は家を空けることが難しくなる。夏らしい日の休日を味わえるのは今日くらいで、今後はそういう日は厳しいかも…と予想し、お誘いに乗る。Sayuさんのお友達で、去年の「お米プロジェクト’10」の、稲刈りに、素敵なワンチャンを連れて遊びに来て頂いたYさん、そして奥さんもご一緒だ。

 

行く場所も初めてだし、催し物の内容も実は殆ど把握してないまま行った。というのは、このところ母の介護関係で、病院と家の往復の日々ずくめだった自分は、こういう非日常的お誘いは、気分が変わり有り難い。知らない場所のカフェでお茶出来るだけでも嬉しいものだ。何時もの事だが、基本、イージーなノリなのである。
             
         フェアートレード・カフェ・パオ

西海市は、平成の大合併で出来た、西彼町・西海町・大島町・崎戸町・ 大瀬戸町の5町からなる市。その中でも佐世保市に近い、西海町の海が見える雑木林の中にフェアートレード・カフェ『パオ』はあった。

 

フェアトレードとは、最近は良く耳にするようになり、ご存知の方も多いと思うが、先進国が富をぶんどる影で、貧困生活を余儀なく強いられてる国が世界には沢山あり、それらの国の人々と、貧富の差のない公平な社会を築くための、オルタナティブな貿易の形のことだ。単に与える援助ではなく、対等な立場で支援するひとつの国際協力でもある。

 

静かな田舎道の側に、立つ『パオ』は、週末と休日だけの営業のようだが、その佇まい、アジア各国とのフェアトレードによる素敵な商品。並ぶ本の種類、置いてあるイベントフライヤー等から、ひと目で、ある種のしっかりした理念をお持ちのカフェであることが判る。それは、この地球で、なるべく自然にこれ以上負荷をかけず、皆が平和に生きるにはどうしたらよいか?、それを模索することを大事にしているという姿勢だ。

 

昨今は、こういう素敵な場所が多くなった。自分が数年前まで居た福岡でも、郊外では糸島半島エリアや筑後浮羽エリア等に沢山あった。自然な木の作り、オーガニックなメニュー。その中にもPC等を取り入れ情報を発信。ナチュラル&デジタルをバランス良く配置する。

 

この、スローライフスタイルとでもいうものは、今の地球上では、もはや、最終の理想形態ではないかと思う。これ以上のものは、もう、バックミンスター・フラーのジオテックドーム多面体型のようなものしかないのでは?とも思う。

                                                                               村上真平さん

 

 

福島県飯館村から、3月13日という早い段階で決断し、ご縁があられた三重県伊賀市に避難して来られた、村上真平さんは、飯館村で御家族と従業員とともに、自然食レストラン、石窯パン、農家民宿、自然農園を経営されていた。ある意味、究極のライフスタイルを営まれておられた方だった。

 

実に穏やかな語り口で、1、これまでの人生の軌跡と、 2、今回の地震直後の様子から遭難までの事態の推移を、もう二度と戻れない飯館村の美しい風景のスライドを交えながら話された。

 

 

             スゴイ来歴

 

 

1982年にインドに渡り、ガンジー・アシュラムに滞在。これを契機に、海外協力の道へ。
1985年からバングラデシュに6年間。
1996年からタイに5年間。民間海外協力団体(NGO)を通じて自然農業の普及と持続可能な農村開発の活動に関与。
2002年、帰国し、福島飯館村に入植、「自然を収奪しない生活のあり方」を探求するべく、自然農業、自給自足をベースにした生活をはじめる。

現在、福島第一原子力発電所の事故で三重県に遭難しておられる。

 

この後に、3.11地震直後から、3.13に避難するまでの推移が時系列的にお話される。                   

                          (つづく)

 

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