地元だし語らない訳にはいかないだろう。

映画『悪人』を観て思うこと。

100930(木)晴れ 久し振りに映画を観に行く。佐世保市内の映画館、木曜日はメンズデーで、1000円。レイトショー、やレディースデーは、何処でもやってると思うが、メンズデーは珍しいと思う。貴方の町ではどうなのだろう?

 

約20年住んでいた福岡では、映画好きの友人がいたせいもあって、ロードショーはトテモ身近だったが、現在の生活では映画館は遠い。TUTAYAのようなレンタルビデオ・CD店も私の町にはない。本・音楽程、そう映画マニアではないので、まぁ、そうそう困らないのだが、(いざとなればネットレンタルもある)それでも時々、大スクリーンで観たくなる。(佐世保市は残念ながら現在70mm映画館はないが)

 

平日の午前中の佐世保太陽シネマボックス7Fは、ご年配のオジサン、オバサン、それに、若い人もチラホラ、そして、私のようにワケ判らないやつらもチラホラ。日本の西の果ての人口26万地方都市、平日の午前中の映画館にしては人が居る方ではないかと思った。ひとえに、上映作品『悪人』のせいだと思う。

 

  『悪人』の原作者で芥川賞作家、吉田修一氏の作品は、福岡時代、図書館本で少し読んだ。処女作『最後の息子』そして『パレード』『長崎乱楽坂』等。毎回違った世界を次から次に書ける才能ある人で、現代の都市空間の中、人の機微を書かせると上手い。新作もすぐ話題になる。長崎出身ということでも何時も気になってた。

 

『最後の息子』で、ゲイ・テイストを書くかと思えば、『長崎乱楽坂』では、自伝なのかヤクザ一家を。『パレード』では、’80年代後半かな?の東京郊外、京王線の千歳烏山駅近くだった(と記憶してるが…)かで共同生活する男女4人の日々を描く。最後が少し怖く終わったのを覚ている。

 

『悪人』は、九州北部、長崎、佐賀、福岡を若い男女が逃避行する話。とだけ知っていた。あと、文芸各紙で絶賛されていたこと。それ以外は全く、原作も読まずに観る。

JR吉塚駅、(映画では夜) 最近整備された。
JR吉塚駅、(映画では夜) 最近整備された。

…観てマイッタ!!。長崎県の最果てに生まれ、福岡で少なからず過ごした私には、そのロケーションの殆どが、これまでの人生で慣れ親しんだ風景ばかり!それがスクリーンにあるではナイカ!

 

まず、「久留米」出身の保険会社の女の子が父親の車中で話す場所、「わぁ!、天神やん、ダイエーショッパーズの先あたり…」福岡市の一番の繁華街「天神」の少し北のエリアだ。このあたりは通りに面したカフェが多い。いつも交通量が多いのに良く撮影出来たものだ。次、この女の子が、飲み会する場所「わぁ!『鉄なべ』やん!」鉄の浅い鍋の上で餃子を焼く、博多では皆知ってるお店。中心部に数店ある。わりと男性リーマンが多いと思うが…。

東公園入り口。(映画では夜)すぐ向こうに県庁がある。
東公園入り口。(映画では夜)すぐ向こうに県庁がある。

次、この子が女友達と別れる駅。「わぁ!JR吉塚駅や〜ん!そして、 主人公「雄一」と待ち合わせ、偶然にも好きな裕福大学生と鉢合わせになる夜の公園のシーン「わぁ!東公園や〜〜ん!! 」私は思わす身を乗り出していた。

 

福岡市博多区にある東公園は県庁の側、JR博多駅の一つ東隣駅、JR吉塚駅の前にある。

 

私はこの駅前、そしてこの公園を10年近くチャリで通って天神の方へ行っていた。約20分位で着けるのだ。もう〜このあたり路地の隅々まで知ってるつもりだ。福岡博多が映画に出て来る事は珍しくないが、この吉塚とかはわりと、市内でもディープなエリアなので映画に出て来るのが新鮮である。

 

その他、柄本明扮する保険会社の女の子父親が裕福大学生を襲う(どうしてかは映画をどうぞ)シーンは、福岡市中央区赤坂、けやき通りのセンスいいセレクト書店『ブックス・キューブリック』の前である。

 

それから、事件が起こる佐賀県との境にある三瀬峠。ついこの間も地域の農業研修とやらで通った。最近、ループ峡が完成してる。それが映画にも出て来る。

 

主人公(妻夫木聡)が住んでいるあたりの風景が出て来た時、もう即、「これはすご〜く、このあたり、つまり私が住んでいる近郊と同じ匂い同じ色合いの風景だ!この鄙びた感じは!」と直感、いや確信した。後で調べたら、平戸島、それも奥の方。感は当たってた。長崎の若者演ずる妻夫木聡は、芝居より朴訥な長崎弁がかなり良かった。地元人として聞いていて違和感なかった。

 

深津絵里が扮する女性の住む場所は、もぉ〜本当に典型的な佐賀の風景。背景の山は天山。福岡行き高速バスや佐世保ー博多を走るJR「みどり」からも見える山だ。深津絵里は、賞をもらうだけあってさすがに芝居上手かった。

 

さて、内容だが、話通りに観ると、せつない…映画だ。長崎県の辺境に住む、若い(に限らず)独身男性は、皆、「これ、オレじゃん!」見たいに思うかもしれない。仕事がなく、非正規の土木作業員、病気のお爺ちゃんの病院への送迎…。出逢いのない地域…。

 

しかし、出逢った人たちが、もし、しょうもないとしたら、それはひとえに自分のせいである。そこが、私が映画と違って言いたいところだ。自分の周波数、振動数が、そこにあったからそれと似た周波数、振動数の人モノが集まって来てる。それらがしょうもなかったら、自分もそうなのだ。鏡なのである。

 

全てのものは固有の周波数、振動数が有り、似たものは互いに引き付け合う。いわゆる類友である。振動数が離れていると互いに反発しあう。振動数が低いと重く粗雑。高いと精妙で軽い。高い方からは低い方はよく見える。低い方から高い方は見えない。

 

出逢ってるヒトがいやだったら自らの振動数を変え、高くすればいい。その方法は調べれば沢山ある。好みの方法でトライしかない。映画を見て何よりまず、自分に言い聞かせる私であった。

 

あと、兼ねてから気になってたが、フィルムコミッションという考え方はいいなぁ〜と思う。それでその町も活性化出来たりするし。

 

いつか、惑星ハシグチとその近郊を舞台にし、旧炭坑町と古代遺跡が不思議に交錯する少年ドラマ的時空横超SFファンタジー映画でも作りたいものだ。…っと大ボラを吹いておこう!オモシロソウではないか!(笑)

 

本日も読んで頂きありがとうございます。良い事がありますように…!

 

参考):映画悪人ロケ地マップ

 

 

 

 

コメント: 1
  • #1

    Marvin (月曜日, 23 7月 2012 09:48)

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