全ては向こうからやって来た。

旅の予兆 ~ 四国遍路覚書1

一年程前から私の稚拙なHPに熱心にメールをくれる方がいた。ハンドルネームを「R」さんという。関東地方にお住まいの方だ。Rさんとは、一年位メールのやり取りをした後、Rさんが、地元長崎に来られる機会があり、お会いすることになった。私の家にもおいでになった。1000km以上もの彼方からの訪問だった。

 

何のご縁が判らないが、今年の春に会った頃からRさんより、『四国八十八カ所遍路に一緒に行かないか?』とお誘いがあった。

 

Rさんの計画では、八十八カ所遍路を車で廻る。泊まりは車の中。そのように車を改造する。一回の遍路を一週間、2回に分けて廻る。時期は私に任せる。…というものだった。

 

そのお誘いがあった後、(信じてもらえなくてもいいけれど、嘘ではない、笑)私は記憶の一番古い引き出しにしまい込んでいて、すっかり忘れていたある夢を思い出した。その夢は私が小学生高学年位に見たものなので、もう40年位前のことだ。しかし、印象深い夢だったので鮮明に覚えている。それはこういう夢だった。

 

 

…或る春の天気の良い日のお昼頃、家の玄関に見知らぬおじさんがやって来る。おじさんかお爺さんみたいな人。その人は、何か判らないが、かなり遠い所から遥々私の家にやって来た様子だ。そして、ここにこういう男の子がいないでしょうか?と家の者に尋ねている。そのおじさんが探しているのはどうやら私のようであった。

 

そのおじさんは家のものに何やら話をしている。その話というのは、どうやら、私を連れて遠い旅に出ようとしているようで、家の者の了解を得ようと話し合っている様子だ。

 

その時私は、「ああ、そうなのだ、私は、この人と旅に出なくてはいけないのだ」直感で了解している。そしてそれはもうずっと昔から決まっていたことなのだと。そうして、その旅とは東の方向で、幾つもの険しい遥かなる山々をそのおじさんだかお爺さんと一緒に越えていくという…。その山々の峰のイメージまでハッキリと見えてたように思う。話し合いは了解されたようで、「…さあ、行こう…」そのおじさんは静かに私を促す…。そういう夢だ。

 

 

…その時は小学生位だったので、言葉を知らなかったのだが、その旅とは巡礼のようなもので、山岳修行のような雰囲気があったのを後から思い出している。その夢は妙に懐かしいような夢で、印象深かったのだが、不思議と今の今まで思い出す事はなかった。 約40年振り位に思い出したのだ。

 

Rさんの四国遍路お誘いと、この夢との符合を無意識に探し出し、重なり合うイメージに、いささか驚きながらも、何やら旅の兆しを何処かで感じつつあった。

 

                (次へ)

 

 

 

 

コメント: 4
  • #4

    planetary-n (木曜日, 02 9月 2010 20:49)

    Sayuさん、こんばんは、何時もありがとうございます。う〜ん、その時は、凄く不思議に思ってましたね。今言えることは、人生では、その時、何の事だか判らない事柄でも、長い時を経た或る日、フト判る事もあるのだな〜と言う事ですね。この時点ではまだ、遍路行けるのかどうか、全く確信がありませんでした。

  • #3

    sayu (木曜日, 02 9月 2010 20:16)

    おもしろーい!!
    決まっていたんですね、Rさんとの四国遍路!
    きっと、この話には続きがあって、どこかで何かが繋がるんでしょうね~ その意味が分かる日が楽しみ♪

  • #2

    planetary-n (木曜日, 02 9月 2010 16:45)

    tsuyoshiさん、お仕事中、コメントありがとうございます。(大丈夫?笑お仕事も上手くやって下さいね〜)上記の夢は、本当のことです。かなり昔に見た印象的な夢の意味が、相当後年になって判る…予知夢というのはあるのかもしれない…と一人思っています。

    いったんそう思うと、もう〜、そうとしか思えなくなりました(笑)。春のある日、突然遠方から、旅の話がやって来る。お爺さんみたいなおじさんと行く。まんまです。そういえばRさんも初めて会った気はしないし…。そんなことをこの頃は思ってました。

    生まれ変わりについては、私としては言葉を慎重に選びたいところですね〜。人はたいてい物語性に弱いので、その概念は受け入れやすいところがあるのですが、ここは敢えて知的保留としておきたいと思います。

  • #1

    tsuyoshi (木曜日, 02 9月 2010 11:57)

    nさん、こんにちは。なにやら興味のある内容に仕事の手を止めてしまいました。夢というものは、何故あのようにリアルなのでしょうね。自分が実際にした事や普段思っていることが、だいたいの場合形や様子を変えて夢として現れるようですね。もしくは深層心理みたいなものなんですかね。nさんが思い出した小学生の時の夢は、なんだか未来予想みたいですごく興味深いですね。他にもそんな話は聞くことがあるから、もしかしたら人間はほんとに生まれ変わりをしてるかもしれないですね。