『六月の詩』

全ての同世代の友へ…

六月になると想い出す。日本のロック、’70年代を代表するバンド、「カルメン・マキ&OZ」その鮮烈なファーストアルバム第一曲。問答無用の8分16秒。スベテノドウセダイノトモヘ…。春日博文の間奏ギターソロが好きデシタ。

    Image of July             モノクロームの六月

 

 

敬愛するタルホ・イナガキ翁的には『終電車の夜風に縺れて微酔の頬を打つネクタイに陶酔していた『六月の夜の都会の季節』([弥勒]『一千一秒物語』新潮文庫.P188)であり、都市を謳っているのだが、何処か郊外の夏草繁る広々とした風景、大気感を想起させる曲だ。

 

モノクロームに近い深緑色の風景。何処にでもありそうで実は何処にもない。私やアナタが何時か立ち竦んだ、あの、夢の街の郊外あたりがこんな風景ではなかったか?

 

… 「ホラ、空がさぁ~スピルバーグの映画のようだったよね、素晴らしい星空で…、夜の積乱雲が速く流れていたね。何処か遠くの方で列車の音が聞こえていたのだったね。『こんな刻限に何処へ行くのだろう…』と振り返った僕等の廻りには何千という観た事もない美しい羽虫が六月の空に舞っていたね、ねえキミ…あれは何という昆虫だったのだろう…。

 

『あれは…』そう呟くキミの体は、既に燐光を放ち半透明のエーテル体となっていたのだったね。『さぁ~行こう…』手を差し出すキミは、六月の満天の夜空に、ゆっくりと飛翔し何処まで何処までも高く上がって行くのだったね。ああ…僕はどうしていいものか途方にくれ、ただただ、ずっと…、六月の夜空をいつまでもいつまでも見上げているしかなかったのだよ。(END)。

 

 

息を潜めて夏を待つ、この六月に、アナタはどんなイメージを持つことでしょう。読んで頂き感謝、良い事がありますように…。

 

 

 

 

 

 

コメント: 6
  • #6

    planetary-n (木曜日, 03 6月 2010 21:14)

    amber クン、コメント、深く感謝! 使って頂きありがとう。

    ファーストアルバムの第一曲がコレだもんね。amberクンの、あのアパートで、「崩壊の前日』を聞いた日のことは忘れないよ。例の「ヤマハ」のスピーカシステムで! 日本に、こんなプログレッシヴなロックバンドがあるなんて、思ってもみなかったからね。ちゃんと聞けたものね~。リリカルで、イマジネーション豊かな曲だと今でも思います。

    20才の自分が、今の私に、軽蔑の目で言葉を投げ捨てそうデス。「お前~、それでいいのかよ~」

  • #5

    amber (木曜日, 03 6月 2010 16:47)

    blip.fmで流させてもらったよ。
    ふだんは洋楽しか流さないんだけど、その中にあってこの曲は十分に張り合えるボリュームがある。

    この時代の曲で、自分やUにとって想起されるのは、四ヶ町の端から佐世保駅の間に横たわる港湾地帯の、灼け着くような太陽の元、コントラストがぶっとんだモノクロの街の景色であるんだな。

  • #4

    planetary-n (水曜日, 02 6月 2010 21:46)

    planetary-n
    (水曜日, 02 6月 2010 21:40)
    コメント削除
     tsuyoshi さん ありがとうございます。「コンセプチャル」ではなく、「コンセプチュアル」ですね、全文訂正が面倒なので(笑)ここで訂正させて頂きます。

    

さぁ~一体何処へ行ったのでしょうね…? 「カンサス」というバンドが歌っていた『Dust In The Wind』という美しい曲を思い出しました。邦題はご存知、『すべては風の中に』ですね…。

  • #3

    tsuyoshi (水曜日, 02 6月 2010 21:15)

    nさん、いい構成ではないですか。半透明のエーテル体かぁ。美しい表現だね。考えてみたら通り過ぎていく時間に押し込められた僕らの感情や、昔のお橋の姿はエーテル体みたいなもんだね。いったい何に吹き飛ばされてしまったんだろうね。

  • #2

    planetary-n (水曜日, 02 6月 2010 20:49)

    tsuyishiさん、コメント、まことにありがとうございます!
    衝動的にこのブログ作りました(笑)。ご存知のように、OZは’70年代中頃、鮮烈に登場し’70年代の内に解散しましたので、勢い'70年代を封印してしまったかのようなバンドになりました。私はセカンドのコンセプチャルなアルバム『閉ざされた町』が好きでした。「崩壊の前日」「空へ」「振り子のない時計」「火の鳥」そして大作「閉ざされた町」…。1978年位、テクノ、ニューウェーブ直前の東京を彷彿させます。

    人生のターニングポイントに流れていた音楽と思い出、か、ショートストーリーを、昔あった、FMの「クロスオーバーイレブン」のようにコラボレーションしてUP出来たらと、仮に作って見ました。遊星音楽室(仮)ですね。今後発作的に登場すると思いマス。そして顰蹙を買うことと思いマス(笑)。

  • #1

    tsuyoshi (水曜日, 02 6月 2010 20:16)

    久しぶりに聞かせていただきました。フェイザーを通したような広がりのあるボーカルとドラム。
    怒涛のリードギター、あの時代特有のベースライン、しびれました。「私は風」も大好きです。
    また、懐かしの名曲アップお願いします。