ミシンと蝙蝠傘のような…

『1Q84』とタケノコ

100416(金) 晴れ 本日は母の用事の付き添いで早朝より佐世保市街へ。

 

その早朝、パラっと見た新聞には村上春樹著『1Q84』第三巻、本日一斉発売!の大々的な広告。「一斉って言ったって、日本の最果ての街、佐世保市の書店で入手出来るのは、せいぜい一週間後位が良いところだろう…」と、それ以上考えない。ネットのアマゾンで購入、とかの選択がない少し前まで、本を注文しても3週間位ざらにかかっていたし。

 

用事は思いの他、早く終了。フト書店に。大型書店でなくても書店を回遊するのは楽しい。書店があるだけマシ、というものだ。今、町の書店は全国から急速になくなりつつある。私が住んでいる町にはちゃんとした書店は昔からない。なくてもネットが在るから一応はいい。いいが、書店を回遊する楽しさは可能ならやはり味わいたい。そこで思い出した。「…そういえば今日は1Q84の発売日、でもあるわけないよね~ってあるじゃん第三巻!」 アンフェアなことが嫌いそうな春樹っつあん。一斉発売と言ったら本当にそうなんだ。少しだけ感心した。前日には搬入していて直前に平積み等ディスプレイするのだろう。

 

という訳で、村上春樹デビュー作『風の歌を聴け』(1979年)から読み続け、『1Q84』一、二巻も読んだ私としては、「青豆」や「天吾」や、オウムやヤマギシ会を彷彿させる「さきがけ」教団はその後、どうなって行くのかは一応知りたい。話もいよいよ佳境に入っていくのでは?と期待もしている。『1Q84』が、今のこの現実の日本と、どう関係があるのかないのかは、自分で読んで考える。あろうがなかろうが面白ければひとまずいい。

 

小振りなタケノコ
小振りなタケノコ

夕方、裏山でタケノコを堀る。今年は本当に天候不順。期せずして去年と同じ日に掘っているが、今年天候不順はハンパじゃない。なので去年より生えて来るのが遅い、か少ない。

回りの土を鍬で削って行く。
回りの土を鍬で削って行く。

少ないながらも掘る。沢山あると友人たちとタケノコ堀りワークショプをやるのだが、今年は天候が不順で田圃のほうも遅れ気味。

 

なのでそっちが重要で閑な日がない。

これは長年のカンだが根っこの位置の見当が着いたら…
これは長年のカンだが根っこの位置の見当が着いたら…

タケノコをお世話になった人等に送る事も考えたが、水煮したのを送るのも痛みやすく適してない。クール便とかになってしまう。

 

結局、側に居る人だけが旬の恩恵を受ける。

 

 

タケノコは堀った端から痛みやすい食材だ。

ヒトイキで掘る。獲物をヒトイキで殺すのと似てる。
ヒトイキで掘る。獲物をヒトイキで殺すのと似てる。

乾燥させるといけない。堀たてをビニール袋で発砲スチロールの箱で送るという手もある。ネット通販をみて見るとそういうのがある。

 

が、やってみれが判るが、皮が殆んどで中身は少ない。それを重さで売るのは如何なものか?と思ったりもする。

 

 

それで、タケノコと『1Q84』が、どう繋がるわけ? 

 

村上春樹の作品で個人的には一番面白く読んだ『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド(1985)』は、シュールレアリスムの『手術台の上のミシンと蝙蝠傘の美しい出会い』(『マルドロールの歌』ロートレアモン)的な一見関係ないものが邂逅し融合していく実に見事な作品。「何故ならどちらも私の中から出て来たものだから、何処かでいつか結びつくはすだ。…」と作者自身が語っていたのを覚えている。少し強引だがそういう感じ。どちらも今の私を語るのだ。

 

 

 

コメント: 4
  • #4

    planetary-n (火曜日, 20 4月 2010 12:57)

    amberkくん、ありがとうございます。まぁ〜、読書も今や沢山ある楽しみのうちの一つですね。この世での時間は短いデス。皆さんそれぞれお好きなフィールドで御過ごしあれ!

  • #3

    amber (火曜日, 20 4月 2010 11:20)

    うん、ハードカバーで『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』は持っているんだけどね、いまだ読了していない。
    自分の口にはあまり合わないのかもしれない。
    まあそれ以前に、本を読むこと自体がむちゃくちゃ遅かったりするけれど(笑)

  • #2

    planetary-n (火曜日, 20 4月 2010 10:41)

    amberクン、コメントありがとう。

    村上春樹の『1Q84』は、G・オーウェルの近未来小説『1984』と、(自分が1、2巻を読んだ限りに於いては)そう特に関係ないと思った。しかし、村上春樹が『1984』を知らない訳はないので、深い所では繋がっているのかもしれないね。

    小説『1Q84』のあらすじを説明するのは、読んだ人、かなり読解力と編集能力がないとムズカシイ(笑)と思う。時空間的にも人間関係的にも、もの凄く良く構成されている物語だ。自分は春樹っつあん好きなので、ココで、詳しく説明したい衝動にかられているが、「…という話なんだよ判った?」と書いて、「…全然わからん!」と言われそうでもある。でも少し書くね。当たり障りない所で。

    物語は1984年の東京が舞台。東京の主要な土地が出て来る、首都高速、池尻、三軒茶屋、代々木、自由ガ丘、高円寺、高尾…、それから千葉の海辺の街、東京全域を知ってる人なら誰でも、物語に入って行ける構想だ。

    主人公はたくさんいるのだが、重要なのは3、4人、「青豆」と呼ばれる女性、「天吾」とよばれる青年、「ふかえり」と呼ばれる謎の少女、そして「さきがけ」と呼ばれるカルトなコミューンとその教祖、80年代新々宗教の時代でもあった日本、あの「オウム」を、モデルとされていることは周知。

    フトしたきっかけで、1984年の東京から1Q84の東京へと入り込んでしまう「青豆」の物語と、「天吾」の物語が、パラレルに進行していく。この手法は『世界の終わり…』を彷彿。物語の中に登場する小説『空気やなぎ』、入れ子構造もある。一人の少年と少女のせつない出会いと成長物語でもありそうだ。

    まだ3巻は未読なので何ともいえないが、小説が好きな人は、長いし圧巻だし、かなり楽しめると思う。

    全く村上春樹を知らないのだったら『海辺のカフカ』あたりから読まれても良いと思う、レディオ・ヘッドの『キッドA_』好きな少年が主人公。amberクン向きかもしれない。ブック・オフで文庫であるハズ。

    タケノコ堀りワークショップは、今年は残念だった。

    ではまたね。

  • #1

    amber (火曜日, 20 4月 2010 02:24)

    小生、恥ずかしながらつい最近まで「IQ84(あいきゅうはちじゅうよん)」だとばかり思ってました。
    思い込みというのは恐い(笑)
    全く知識がないので「1984」にかけてあるのかな、などと適当なことを思う。
    今年はタケノコ狩りに行けなかったなあ。