伝統行事、橋口稲荷神社『御神祭り』’09

厳粛な神事と冬里に舞う『平戸神楽』

12月11日(金)。は毎年、惑星ハシグチ、一年を締め括る最後の伝統行事、『御神祭り』の日である。『御神祭り』は正午位から、大きく5つの行事、1、御神事(1)、2、御神事(2) 3、奉納平戸神楽、4、餅蒔き 5、祭りの宴、に分けられる。

 

 

御神事(1)、

 

これは、橋口村、全17戸のうち、上の方に住んでいる人たち(上講8人)下の方に住んでいる人たち(下講9人)のそれぞれ、今年の廻り番、代表2人が『御神祭り』が行われる橋口稲荷神社前の集会所に集まり、(これは少し前に書いたお世話役とは、また違う)伝統の神事にのっとって、それぞれ供物を用意する。

 

私は下講なので、未だ下講の様子しか知らないが、お神酒、生きた川魚、海の魚、玄米、御供飯(おごく…ご飯のこと)シトギ(米の粉を水で練ったもの)、それから、イヌビワの枝で作った弓、と竹で作った矢5本等を用意する。去年はこの役回りで、弓になる適当なイヌビワの枝を探したり竹を用意したりした。

 

準備が出来たら、惑星ハシグチの南西部の谷の森の中にある聖域、『木の本神社』へ、下講の人たちが三々五々集まって来る(自由参加)。ここに行くのには、近くまで車で行くのだが、それから先は、足場の悪い田圃の畦を通って行く。神社と名前が付いているが、何やら古い石が約1メートル四方、高さ約50cmくらい積んであり、その廻りを先日作った新しい注連縄で結界を作ってある場所だ。石積みの感じがアイルランドあたりのケルト文化にありそうな気配である。

 

ここに供物を添え、その石積みに向かい厳粛な空気の中、御神事が行われる。あたりは深閑とした冬の大気。石積みの向こうは何もない森の空間。森の向こうには谷を挟んで山。この森や山全体に感謝を捧げるという感じで、自然の中に神が宿るという自然崇拝、古神道の世界を想像する。

 

 

御神事(2) 、

 

森の中から、場所を稲荷神社に移し、同じく別の聖域での神事(未調査、判明次第UP)から戻って来た上講の人たちと一緒に、再び神社内へ。神主さんも全部で3人、それぞれの御神事が粛々と進む。大祓詞(おおはらえのことば)もあったと思う。自然に対する畏敬の念というのが必ず織り込まれていて、それは貴重だなと感じる。

 

何故ならば、自分も含めて現代の生活の中で、一番、疎かにされている事柄では?と個人的に思うからである。稲荷神社なので五穀豊穣の神、今年無事に、稲作が出来た事の感謝を伝え、氏子の健康安全を願う。毎年このような経験をしていくと、例えば同じ会社に長くいればその会社の精神性の型が何時の間に身に付くように(いい悪いは別として)、この地域の精神性の型が備わっていくのだろうなと、感じる神事だった。

 

  

奉納『平戸神楽』

 

暫し休憩後、この地域を代表する『平戸神楽』の奉納が行われる。笛と太鼓、そして時に鈴だけの音。たたそれだけの構成だが、このグルーヴ感は悪くない。日本人のDNAが共振するのだろう。冬里の空気に良く似合う。

 

以下は、本邦初公開、その奉納された『平戸神楽』の一部である。これを、YouTubeで公開するにあたっては、慎重を期したのだが、御神事はともかく、その後の奉納の神楽、雨戸も開け放たれて行われるし、広く一般の方々に知って頂きたく公開した次第。

 

当地域及び近くの土地の方々は、毎年やっていることだし、特に珍しくも思っていない様子。しかし、神主さんたちの衣装も絹でりっばなものだし、僅かたたみ二畳の空間で行われる神楽の舞いは、天狗が出て来たり、時に古代イスラム教神秘主義のスーフィーの旋回舞踏のようだったり多彩である。小さな村で毎年これらを続けているのは中々どうして。豊かさを再確認した次第だ。その後の宴会も和やかに。地域の人に一年のお礼を言って帰って来る。

 

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コメント: 4
  • #1

    ウェーブ (火曜日, 15 12月 2009 13:07)

     「おかんまつり」は「御神祭り」でしたか。子供の
    頃は学校を早引けして参加するほど待ち遠しいもので
    した。当時は神社に100人以上集まったでしょう。
    特に最後の餅まきが楽しみで、10個以上も拾い大
    喜びしたものです。神楽もおもしろかったですね。特
    に剣をもっての舞いにはスリルがありました。50年以
    上も前の話です。それを今日まで伝承しているとは偉い
    ですね。それほど文化伝承に熱意があるわけでもないよ
    うですが。なかなか消滅しないところが、不思議です。

  • #2

    planetary-n (火曜日, 15 12月 2009 14:10)


    ウェーブさん、お久しぶりです。見て頂き嬉しいです。
    
数日経って読むと誤字や文章おかしなところが一杯あり、今、訂正しました。お恥ずかしい限りです。夜UPする時、読み返してはいるのですが、眠くなって適当なところで見切っているから、UP後訂正がしょっちゅうです。スミマセン!

    そうですね…、これらはやれる限りやるのだと思います。そうとう非日常の出来事、天災とかあっても、人はいつもの生活を淡々とやりたい、やりたくなるのでは?と思います。そうやると安心するのでしょうね。また、年を取ると変化を望まなくなる。変化=恐怖になるのではとも思います。変化しないモノなど何ひとつないのにそう云う気持ちになるのでしょうね。

  • #3

    ラフィキ (水曜日, 23 12月 2009 20:17)

    今の時代人口が大分減ってきているのでしょうが、良く維持されていますね。とても貴重なことだと思います。これが伝統というものでしょう。御神輿でしたら、なかなか持続できないでしょうが、神事<平戸神楽>で踊りであるからこれから先も大丈夫と思いましたよ。素晴らしい行事ですね。これからは実行委員の一人ですね。頑張って下さい。

  • #4

    planetary-n (水曜日, 23 12月 2009 20:48)

    ラフィキさん、コメントありがとうございます。
    平戸神楽の御神祭り、お褒めにあずかり恐縮です。ですが、私は、度々申しますが、がんばるのは嫌いなのですね〜。ですので、多大な期待はお持ちにならない方が賢明かと思いますよ〜。どうぞよろしく。