別の場所から取る。

稲刈竹取物語 - 2

 10月7日(水)。稲刈りの為の竹取をやる。先日取った場所は、足場が悪い。また、取った竹を自転車専用道路側に置くのだが、そこを散歩する人が結構いて、なんかすぐ話しかけられる。犬の散歩等している人は往復通ったりする。そのつど対応してたのだが、仕事がその度に中断してあまり進まない。そのうち対応がおっくうになって来た(笑)。

 

なので、今日は、人の来ない別の場所でやる。この方が落ち着いて作業出来る。たぶん、きっと、自分は、自然の中で、何だか黙々とやるのが好きなのかも知れない。ここは以前はれっきとした田圃だったところ。耕作放棄地になり何時の間にか竹に覆われてしまった所だ。側の小さな川の音と竹林を抜ける風の音しかしない。とても静かだ。

 

竹林にイメージで、「稲刈りに必要なので切らせて下さい」と伝える。多分竹林の方は、見えないネットワークがあるので、先日切った竹林から、すでに情報が伝わってるハズだ。「あの○○が稲刈りの竹をそっちへ取りにいくぜ〜」とかなんとか、「まぁ〜しょ〜がなかんべ〜」と、すでに切られる運命の竹は覚悟をしているはずだ。

 

こういう林や山に一人でいるとスゴク落ち着く。ふと、「自分は前世、きこりではなかったか?」と思ったりする。そして、そのイメージを楽しんでいたりする。

鎌、鉈、鋸 山仕事、三種の神器。
鎌、鉈、鋸 山仕事、三種の神器。

そんな事空想しながらやってると、何時の間にか、師匠がやって来た。

師匠は何時も何処からともなくやって来る。「あッ師匠、こんにちは〜。足の具合どうですかぁ…」。お米作りの師匠は、最近ちょっとおみ足の具合が悪い。「ああ、大したこたぁ〜なか」掛け干し用の竹を切ってることを伝える。

神出鬼没の師匠。ありがとうございます。
神出鬼没の師匠。ありがとうございます。

「…で(師匠)どの位切ったらいいでしょうか?」「え〜と〜、(…がなんだから〜と計算しておられる様子)、ひとひろ(両手を真横に開いた長さ)150本だね。さおが10本。、黄色い竹を切りなさい。白いのは今年の竹だから切らんように。掛け方はワシが教える、じゃね」とだけ言って何処かへ行き始めた。風が強くなって来た。台風が近づいてる。

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コメント: 4
  • #1

    ラフィキ (木曜日, 08 10月 2009 10:04)

    150本も竹を切るのですか。足は太くても横に通すのは丈夫そうで細いものが良いですよね。これから組み立てていくのですね。稲のかからない前の姿も画像残しておいて下さいね。稲をかけた後の景色は昔の田園風景を思い出されます。素敵でしょうね。何か早く見たい衝動に駆られます。
    昔はこの様に大変な作業を当たり前のようにこなしていたのですよね。なんと偉大なことでしょうか。振り返るとじーんと胸が熱くなる思いがします。

  • #2

    notch+i (木曜日, 08 10月 2009 14:31)

    お米の掛け干しってすごく手間のかかる作業なのですね。
    それに豊かな竹林がないとできない………。

    天気とかには左右されないのですか?
    晴天の長期予報とかを見て稲刈りを始めるとかするのですか?
    でも、それだと昔の人はどうやって気候を読んでいたのでしょう?
    クエスチョンマーク3連発です。すみません。_(._.)_

  • #3

    planetary-n (木曜日, 08 10月 2009 20:40)

    ラフィキさま。いつも、ありがとうございます。 150本という数は、”ひとひろ”=自分の両手を横に開いた長さ=自分の身長位の竹の長さ、を、ということです。なので、一本から、それが、3本採れるとすれば、約50
    本、短い竹だと2本くらいしか採れないので、約75本を目安に切って行きます。一回切ると、保存さえ良ければ、2〜3年使えるらしいです。

  • #4

    planetary-n (木曜日, 08 10月 2009 21:05)

    notch+i さま、いつも、ありがとうございます。
    おっしゃる通り、豊かな竹林を所有してないと、掛け干しは出来ませんね。(竹は、ないところはもらったりするのですが)、
天気に左右されない農業は、ビニールハウスか、キノコ類を無菌の部屋で作ったりするくらいでしょう。自然のもと、戸外で作ってる限り天候に影響されます。ですので、農家程、天気予報を熱心に見る人たちもいないのではと思います(漁業の方もかな?)

    「

秋の夕焼け鎌を研げ」などと、ことわざがあるくらい、秋夕焼けの日は翌日晴れるということですね。農家の人は天候を見るのに長けてます。死活問題ですからね。ここ近年の天候不順温暖化にて、長年の天気読みの経験が通じなくなって来て、皆さん困っているわけです。

    

いずれにしても、ひとつのお米が出来る全プロセスを、農家でない限り、知ることもないので、このHPを通じて、少しでも知って頂けたら、お米プロジェクト’09の役割はあったなと思ってます。